バースデイ
サハラです。
本日ご紹介するマンガはるぅ1mm先生の『バースデイ』という短編集です。

個人的に「表紙だけで当たりだと分かるタイプの本」でした。
自分の絵柄を本当に使いこなしてらっしゃるし、デザインも秀逸なので、編集的にも力を篭めて売り出したい作品なんだろうな……と勝手に妄想したりしていたんですが。
ともあれ読み終えた感想は「メチャクチャ面白かった」です。
べつの作品があれば迷わず買ってすぐに読み始めるところだったのですが、これが先生のデビュー作だったようなので、とりあえず作品がでるのを待つしかないです。
とりあえず、この本の感想をもう少し詳しく説明していこうと思います。
とにかくもうメチャクチャポップで可愛らしい!
表紙を見てお分かりの通り、本当に可愛らしくてワクワクする表紙です。
さぞかし内容も可愛らしい短編集なんだろうなと期待して開きました。

するといきなり見開きでこれです。
そんなことある??? という気持ちで一杯になりました。
表紙であんな笑顔を浮かべていた主人公らしき女の子が傷だらけで倒れている。これにはそれなりの意味があって、物語は綺麗な終わり方をするんですが。
ちょっぴり不安を煽ってくるというか。
幸せの中にピリッと舌先が痺れる毒を盛られているような。
そんな独特の風味の作品が続いたかと思えば、

すぐあとにこんなタイトルの短編が待ち受けていたりして。
で、この天使さんが主人公のお母さんを殺すところから物語が始まります。
そんなことある????? としか呟けませんでした。
こちらは「メチャクチャ綺麗」で「メチャクチャ救いのない終わり方」をします。全体的に可愛らしい梱包の中に指先を突き刺す針が仕込まれているようなお話が多いです。
バッドエンドに傾倒したお話はどうしても安っぽくなりがちという印象なのですが、こちらの短編集はただ黙々と、可愛らしい絵柄で「事象を描く」という趣で。
『そこから好き勝手に思い思いの感情を描いてください』
とでも言いたげな雰囲気を個人的に感じました。
ジャンルを強いて区分するなら『サイコポップ』という感じな気がします。
ダンガンロンパとか。
やってることは近くないんですが、結果として同じことになっているような。
とにかく絵が綺麗なので、終始、独特な雰囲気が漂っています。
https://www.pixiv.net/artworks/82947713
こちらの著者様のページで収録されている話が1話分読めます。
灰汁の強い話が多いですが、こちらの作品が気に入った方は全作楽しめると胸を張って推せますので、気になった方は試し読みしてみてはいかがでしょうか?
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